【2026年版】マッチングサイトをスクラッチ開発する方法。費用・期間・失敗例を解説

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マッチングサイトをスクラッチ開発する場合、費用は「会員登録があるから500万円」「決済があるから1,000万円」といった単純な足し算では決まりません。

誰と誰をマッチングするのか、サイト内でどこまで取引するのか、売上を誰へ支払うのか、キャンセルや返金をどう処理するのかによって、必要な画面数と処理数が大きく変わります。

たとえば、企業を検索して問い合わせを送るだけのBtoBマッチングサイトと、クラウドワークスのように募集、応募、条件交渉、契約、仮払い、納品、検収、評価まで行うサービスは、同じ「マッチングサイト」でも別のシステムです。

国内の開発会社へスクラッチ開発を依頼する場合、現実的な初期開発費は次のようになります。

  • 企業・専門家を検索して問い合わせるサイト:1,200万~1,800万円
  • ココナラの主要取引を持つスキル販売サイト:2,800万~4,500万円
  • クラウドワークスの主要取引を持つ業務委託サイト:4,500万~7,000万円
  • メルカリの主要取引を持つWeb・アプリ:8,000万~1億4,000万円
  • Airbnbの主要取引を持つ予約サイト・アプリ:1億2,000万~2億2,000万円
  • Uber Eatsのような3者間リアルタイムサービス:2億5,000万~5億円

ここでいう「○○のようなサービス」とは、現在の大手サービスを完全に複製する金額ではありません。

主要な取引フローを持ち、本番運用できる最初のバージョンを、国内の受託開発会社へ依頼した場合の試算です。

長年の改善で追加された全機能、全国規模のインフラ、不正検知、24時間の運営体制まで再現すれば、この金額では収まりません。

特に注意したいのは、500万円では、決済や売上金管理を持つ本格的なマッチングサイトは作れないという点です。

500万円を人月単価110万円で割ると、約4.5人月です。

要件整理、デザイン、テスト、プロジェクト管理を差し引けば、実装へ使えるのは実質2~3人月しか残りません。

この予算で作れるのは、機能を大きく削った試作品か、掲載・検索・問い合わせに限定した簡易版です。

本記事では、抽象的な「小規模」「中規模」という表現を使わず、どのようなサービスを作ると、なぜその金額になるのかを具体的に解説します。

目次

最初に結論|スクラッチ開発の現実的な費用一覧

次の表は、国内の中小~中堅開発会社へ依頼した場合の初期開発費です。

作るサービス 主要機能 初期開発費 期間
比較ビズに近い問い合わせ型 企業登録、サービス掲載、検索、問い合わせ、管理画面 1,200万~1,800万円 7~10か月
ココナラに近いスキル販売型 出品、購入、トークルーム、納品、評価、売上管理 2,800万~4,500万円 9~14か月
クラウドワークスに近い業務委託型 案件、応募、交渉、契約、仮払い、納品、検収、評価 4,500万~7,000万円 12~18か月
メルカリに近いCtoC型 出品、購入、配送、受取評価、売上金、振込、通報 8,000万~1億4,000万円 14~24か月
Airbnbに近い予約型 施設掲載、カレンダー、予約、決済、キャンセル、入金、評価 1億2,000万~2億2,000万円 18~30か月
Uber Eatsに近い配達型 注文者、店舗、配達員、位置情報、配車、決済、リアルタイム追跡 2億5,000万~5億円 24~36か月

個人のフリーランスへ直接発注したり、海外のオフショア会社を利用したりすれば、表示金額より安くなる場合があります。

一方、大手システム会社へ依頼し、詳細な品質保証、監査、24時間監視、障害対応まで含めると、表示金額の1.5~2倍になる場合があります。

「マッチングサイト一式」で見積もることはできません。問い合わせで終了するサイトと、売上金を預かって出品者へ振り込むサイトでは、必要な開発量が数倍違います。

なぜスクラッチ開発は1,000万円を超えるのか

スクラッチ開発費は、基本的に「人月単価×必要な工数」で計算します。

人月とは、1人が1か月間働く作業量です。

国内の受託開発会社では、職種ごとに次の単価を置くと、現実に近い計算になります。

担当者 1人月の単価 担当内容
プロジェクトマネージャー 130万~160万円 要件、進行、顧客対応、品質、予算管理
システムエンジニア 110万~140万円 業務整理、データ設計、システム設計
プログラマー 80万~120万円 フロントエンド・バックエンド実装
UI・Webデザイナー 80万~110万円 画面設計、UI、スマートフォンデザイン
テスト担当 70万~100万円 テスト設計、動作確認、再現確認
インフラ担当 110万~150万円 クラウド、監視、バックアップ、セキュリティ

フリーランスの募集単価が月70万~90万円だからといって、開発会社の見積もりも同額になるわけではありません。

開発会社の価格には、プロジェクト管理、営業、社内レビュー、テスト環境、保証、会社利益などが含まれます。

BtoB問い合わせ型サイトを実際に計算する

次のようなサイトを想定します。

  • 発注企業と受注企業の2種類が登録する
  • 受注企業が会社情報とサービスを掲載する
  • 発注企業が業種・地域・対応内容で検索する
  • 発注企業が問い合わせを送る
  • 運営者が会員・掲載内容・問い合わせを管理する
  • サイト内決済とチャットは実装しない

この構成でも、次の工数が必要です。

担当 工数 単価 金額
プロジェクト管理・要件定義 1.5人月 140万円 210万円
UI・デザイン 1.5人月 100万円 150万円
フロントエンド 3人月 110万円 330万円
バックエンド 4人月 120万円 480万円
テスト 2人月 90万円 180万円
インフラ・公開 0.5人月 130万円 65万円
合計 12.5人月 1,415万円

予備修正を10%確保すると、総額は約1,556万円です。

これが、掲載・検索・問い合わせだけのBtoBサイトをスクラッチで構築する現実的な価格です。

つまり、決済もチャットもない問い合わせ型でも、国内スクラッチなら1,500万円前後になります。

具体的なサービス別の開発費用

ここからは、実際にどのような機能を入れると、いくらになるのかを説明します。

なお、以下は各サービスの公式な開発費ではありません。

既存サービスの主要な取引方法を参考に、同種の新規サービスを開発する場合の試算です。

比較ビズのような企業・専門家への問い合わせ型

想定する機能は次のとおりです。

  • 発注企業と受注企業の会員登録
  • 企業プロフィール
  • サービス・実績登録
  • 業種、地域、予算などの検索
  • 問い合わせフォーム
  • 問い合わせ履歴
  • 運営者による会員・掲載審査
  • 管理画面
  • メール通知

サイト内で契約や決済を行わず、問い合わせ後は電話やメールで商談する構成です。

初期開発費 1,200万~1,800万円
開発工数 10~14人月
開発期間 7~10か月
公開後の月額 保守20万~35万円+インフラ3万~10万円

案件を複数社へ一括送信する、問い合わせ1件ごとに企業へ課金する、法人内に複数担当者を作る場合は、300万~600万円が追加されます。

ココナラのようなスキル販売型

想定するのは、出品者がサービスを登録し、購入者が購入後にトークルームでやり取りし、納品と評価を行う構成です。

  • 出品者・購入者登録
  • サービス出品
  • カテゴリ・キーワード検索
  • お気に入り
  • サービス購入
  • トークルーム
  • ファイル送信
  • 正式納品・購入者承諾
  • 相互評価
  • 運営手数料計算
  • 出品者の売上管理
  • 銀行口座への振込申請
  • キャンセル・通報
  • 管理画面
初期開発費 2,800万~4,500万円
開発工数 24~35人月
開発期間 9~14か月
公開後の月額 保守40万~70万円+インフラ10万~30万円

ビデオ通話、電話相談、定期購入、見積もり相談、法人請求書払いまで入れる場合は、さらに800万~1,500万円が必要です。

購入ボタンを付けるだけなら決済機能ですが、売上を出品者へ支払うところまで作ると資金管理システムになります。

クラウドワークスのような業務委託型

クラウドワークス型では、単なる求人掲載ではなく、契約後の仕事までシステム内で管理します。

  • 発注者・受注者登録
  • 案件登録
  • 案件検索
  • 応募・提案
  • 見積もり・条件交渉
  • 契約
  • 仮払い
  • メッセージ
  • ファイル納品
  • 修正依頼
  • 検収
  • マイルストーン払い
  • 相互評価
  • 報酬・手数料管理
  • 振込申請
  • 違反報告・契約トラブル対応
  • 管理画面
初期開発費 4,500万~7,000万円
開発工数 38~55人月
開発期間 12~18か月
公開後の月額 保守70万~120万円+インフラ20万~50万円

固定報酬だけでなく時間単価制、コンペ、タスク形式まで実装すると、さらに1,500万~3,000万円が必要です。

案件掲載サイトとクラウドソーシングサイトは別物です。仮払い、納品、検収、報酬確定まで入れた瞬間に、開発費は大きく上がります。

メルカリのようなCtoCフリマ型

メルカリ型では、出品と購入だけでなく、購入後の配送、受取評価、売上金まで管理します。

  • 会員登録・本人確認
  • 商品出品・画像登録
  • カテゴリ・検索・お気に入り
  • コメント
  • 購入・決済
  • 配送方法・発送通知
  • 購入者の受取評価
  • 出品者評価
  • 売上金管理
  • 振込申請
  • キャンセル・返金
  • 禁止商品・違反出品への対応
  • 通報・ブロック
  • iOSアプリ
  • Androidアプリ
  • 運営管理画面
Web版のみ 4,500万~7,000万円
Web+iOS+Android 8,000万~1億4,000万円
開発工数 65~100人月
開発期間 14~24か月
公開後の月額 保守120万~250万円+インフラ30万~100万円

匿名配送との連携、不正決済対策、画像の自動審査、ブランド品鑑定まで入れる場合は、1億4,000万円を超えます。

Airbnbのような宿泊・施設予約型

Airbnb型では、施設を掲載するだけでなく、日付ごとの空き状況と価格を管理します。

  • ホスト・ゲスト登録
  • 施設・部屋・画像登録
  • 地図・エリア検索
  • 日付・人数による空室検索
  • カレンダー・在庫管理
  • 曜日・繁忙期による価格変更
  • 予約リクエスト・即時予約
  • 決済
  • ホストへの入金
  • キャンセルポリシー
  • 返金計算
  • メッセージ
  • 相互評価
  • 本人確認
  • Web・iOS・Android
  • 管理画面
初期開発費 1億2,000万~2億2,000万円
開発工数 95~150人月
開発期間 18~30か月
公開後の月額 保守200万~400万円+インフラ80万~200万円

複数通貨、多言語、海外税務、保険、外部予約サイトとの在庫同期を入れる場合は、2億2,000万円では収まりません。

Uber Eatsのような3者間リアルタイム型

Uber Eats型では、注文者、店舗、配達員の3者を同時に動かします。

必要なのは通常のECサイトではありません。

  • 注文者用アプリ
  • 店舗用アプリ・管理画面
  • 配達員用アプリ
  • 商品・メニュー・在庫管理
  • 注文・決済
  • 店舗の注文受付
  • 配達員の現在地
  • 近隣配達員との自動マッチング
  • 配達依頼の受諾・拒否
  • 店舗までのナビゲーション
  • 注文者までのナビゲーション
  • 注文状況のリアルタイム更新
  • 注文者・店舗・配達員への料金分配
  • キャンセル・欠品・誤配対応
  • クーポン・配送料計算
  • 運営者用の監視画面
地域限定の初期版 2億5,000万~5億円
開発工数 180~300人月
開発期間 24~36か月
公開後の月額 開発・保守500万~1,000万円+インフラ200万円以上

1億円あっても、Uber Eatsのようなサービスを本番品質で一式開発する予算としては足りません。

利用地域を一つに絞り、配達員の自動割当を運営者の手作業にするなど、仕組みを大幅に削る必要があります。

500万円・1,000万円・3,000万円・1億円で何が作れるか

予算別に、実際に作れる範囲を整理します。

500万円で作れるもの

500万円を人月単価110万円で計算すると、約4.5人月です。

作れるのは次の範囲です。

  • 会員は1種類または2種類
  • プロフィール登録
  • 商品・案件の登録
  • 簡易検索
  • 問い合わせフォーム
  • 最低限の管理画面
  • テンプレートを利用したデザイン

サイト内決済、売上金、リアルタイムチャット、アプリは入れられません。

500万円は「メルカリの簡易版」を作る予算ではなく、掲載と問い合わせに絞ったMVPの予算です。

1,000万円で作れるもの

1,000万円は約9人月です。

次のようなBtoB問い合わせサイトを、機能を絞って構築できます。

  • 発注者・受注者の登録
  • 企業プロフィール
  • サービス・案件掲載
  • 複数条件検索
  • 問い合わせ
  • メール通知
  • 会員・掲載審査
  • 管理画面

ただし、独自デザイン、チャット、決済、アプリまで入れると予算を超えます。

3,000万円で作れるもの

3,000万円は約27人月です。

ココナラ型のスキル販売サービスをWeb版に限定し、次の範囲で構築できます。

  • 出品者・購入者
  • サービス出品
  • 検索
  • 購入・決済
  • トークルーム
  • 納品・承諾
  • 評価
  • 売上・振込申請
  • 管理画面

電話相談、ビデオ通話、定期購入、アプリは対象外です。

5,000万円で作れるもの

5,000万円は約45人月です。

クラウドワークス型の主要取引を持つWebサービスが候補になります。

  • 案件掲載
  • 応募・提案
  • 条件交渉
  • 契約
  • 仮払い
  • メッセージ
  • 納品・検収
  • 評価
  • 報酬管理

固定報酬型に限定し、時間単価、コンペ、タスク形式は後回しにします。

1億円で作れるもの

1億円は約90人月です。

Web、iOS、Androidを含むメルカリ型の初期版が候補になります。

ただし、現在のメルカリと同じ機能や規模を再現できるわけではありません。

対象カテゴリを絞り、配送方法、決済方法、本人確認、不正対策を限定する必要があります。

初期開発費以外に必要な金額

スクラッチ開発では、公開した後も費用が続きます。

次の表は、初期開発費3,000万円の取引型サービスを3年間運営する例です。

費用 3年間の金額
初期開発 3,000万円
保守・小規模改善 月50万円 1,800万円
クラウド・監視 月20万円 720万円
外部サービス 月10万円 360万円
大型機能追加 800万円
合計 6,680万円

決済手数料、本人確認費用、SMS送信費用は、利用件数に応じて別途発生します。

広告費、カスタマーサポート、人件費、弁護士費用も含んでいません。

そのため、初期開発3,000万円のサービスでも、3年間のシステム関連費は6,000万円を超えると考える必要があります。

スクラッチ開発で予算が増える具体的な原因

予算超過は、理由もなく突然起きるわけではありません。

会員種別を後から追加する

当初は「発注者」と「受注者」の2種類だったものを、後から次のように変更するケースです。

  • 法人管理者
  • 法人担当者
  • 個人受注者
  • 代理店
  • 審査担当者

会員種別を追加すると、登録、ログイン、権限、マイページ、通知、検索、管理画面を変更します。

追加費用は300万~800万円です。

決済を後から売上分配型へ変更する

当初は運営会社が全額を受け取る予定だったものを、出品者へ自動入金する設計へ変えるケースです。

次の機能が追加されます。

  • 出品者の本人・口座確認
  • 運営手数料計算
  • 売上残高
  • 振込申請
  • 返金時の残高調整
  • 入金失敗時の処理
  • 管理画面での売上照合

追加費用は500万~1,200万円です。

管理画面を後回しにする

利用者向け画面だけを先に作り、公開直前に運営方法を考えると、次の機能が必要になります。

  • 会員停止
  • 掲載審査
  • 取引確認
  • 返金操作
  • 通報対応
  • 売上集計
  • 操作履歴

追加費用は300万~700万円です。

アプリを途中で追加する

Web版の設計が終わった後に、iOSとAndroidを追加するケースです。

画面をそのまま移植するだけではありません。

ログイン、通知、カメラ、画像、決済、審査、バージョン更新への対応が必要です。

追加費用は2,000万~5,000万円です。

開発が3か月延びる

月間の開発チーム費が400万円なら、3か月の延長で1,200万円増えます。

月間チーム費 1か月延長 3か月延長 6か月延長
300万円 300万円 900万円 1,800万円
400万円 400万円 1,200万円 2,400万円
600万円 600万円 1,800万円 3,600万円

スクラッチ開発では、機能を一つ追加した費用より、チーム全体を数か月延長する費用の方が大きいことがあります。

スクラッチ開発で失敗する会社の共通点

最初の公開条件を決めていない

「良いサービスになるまで開発する」という条件では、完成しません。

公開条件は、次のように操作単位で決めます。

  • 発注者が会員登録できる
  • 受注者がサービスを掲載できる
  • 発注者が条件検索できる
  • 問い合わせを送れる
  • 運営者が会員と掲載情報を停止できる

この状態で初回公開と決めます。

「同じように作ってください」で発注する

「メルカリのように」「クラウドワークスのように」だけでは見積もれません。

どの機能を持たせ、どの機能を作らないかまで決める必要があります。

現在の大手サービスには、何年もかけて追加された機能が含まれています。

すべてを初回開発へ入れると、予算も期間も足りません。

安い見積もりに含まれない作業を確認していない

同じ依頼で1,000万円と3,000万円の見積もりが出た場合、3,000万円の会社が単に高いとは限りません。

1,000万円側に、次の作業が含まれていないことがあります。

  • 要件定義
  • スマートフォンデザイン
  • 管理画面
  • キャンセル・返金
  • テスト設計
  • セキュリティ確認
  • サーバー構築
  • 公開作業
  • 操作説明
  • 公開後の修正

安い見積もりは、同じ完成品を値引きした価格ではなく、最初から作らないものが多い価格であることがあります。

公開後の費用を残していない

総予算3,000万円をすべて初期開発に使うと、公開後に修正できません。

総予算が3,000万円なら、次の配分が現実的です。

用途 予算
初期開発 2,000万円
公開後1年間の改善 500万円
インフラ・保守 200万円
広告・営業・利用促進 300万円
合計 3,000万円

予算3,000万円なら、3,000万円のシステムを作ってはいけません。公開後に直し、利用者を集める資金を残す必要があります。

スクラッチ開発が必要なケース

次の条件に当てはまる場合は、スクラッチ開発を選ぶ理由があります。

  • 会員が3種類以上あり、権限が大きく異なる
  • 申し込みから取引完了までに複数の承認がある
  • 契約内容によって手数料や支払先が変わる
  • 既存の基幹システムとリアルタイム連携する
  • 独自のマッチング計算が競争力になる
  • パッケージの標準機能を半分も使わない
  • アプリとWebを共通の独自基盤で運営する
  • 数十万~数百万人の利用を前提として資金を確保している

スクラッチ開発にしない方がよいケース

次の場合は、SaaSやパッケージを先に比較してください。

  • 会員登録、掲載、検索、問い合わせが中心
  • 一般的な購入・予約の流れで成立する
  • 予算が1,000万円未満
  • 3~6か月以内に公開したい
  • サービスの需要を確認できていない
  • 社内に仕様を決める責任者がいない
  • 公開後の保守・改善予算を確保していない

パッケージで80%実現できるサービスを、スクラッチで一から作る必要はありません。

差別化になる20%だけを追加開発した方が、初期費用を数千万円単位で減らせる場合があります。

スクラッチ開発費を現実的に下げる方法

Web版から公開する

iOS・Androidアプリを後回しにすると、2,000万~5,000万円を初回開発から外せます。

スマートフォン対応したWeb版で需要を確認し、継続利用やプッシュ通知が必要だと判明してからアプリを作ります。

取引方法を一つに絞る

クラウドワークス型であれば、固定報酬、時間単価、コンペ、タスクをすべて作らず、固定報酬だけで開始します。

これだけで1,500万~3,000万円の開発範囲を削れます。

決済を後回しにする

BtoBサービスで、問い合わせ後に企業間で直接契約するなら、初回はサイト内決済を入れない方法があります。

売上分配、返金、振込申請を外すことで、500万~1,200万円を削減できます。

管理者の手作業を残す

開始直後から取引が毎日数千件発生するわけではありません。

次の作業を管理者が行えば、自動化を後回しにできます。

  • 会員審査
  • 返金判断
  • 請求書発行
  • 売上確認
  • 違反掲載の確認

ただし、手作業の担当者と手順は公開前に決めます。

パッケージを土台にする

会員登録、掲載、検索、申し込み、メッセージ、管理画面が共通するなら、既存パッケージを利用します。

スクラッチで1,500万円かかるBtoB問い合わせ型でも、パッケージを使えば200万~500万円に収まる可能性があります。

AIを使えばスクラッチ開発費は半額になるのか

AIを使っても、開発費が一律半額になることはありません。

スクラッチ開発の費用には、次の作業が含まれるからです。

  • 事業内容の整理
  • 要件定義
  • 画面設計
  • 権限とデータ設計
  • 顧客との確認
  • プロジェクト管理
  • セキュリティ判断
  • テスト
  • 公開作業

AIで削減しやすいのは、コード作成、コード調査、テストコード作成、エラー解析です。

たとえば、30人月の案件で、実装と単体テストが15人月を占め、その部分をAIで20%短縮できたとします。

削減できるのは3人月です。

人月110万円なら、330万円の削減です。

3,000万円の案件全体では11%です。

AIで3,000万円が1,500万円になるのではなく、3,000万円が2,600万~2,700万円になるという方が現実に近い試算です。

要件が曖昧なままAIで大量のコードを作ると、後から修正する費用が増える可能性もあります。

開発会社へ見積もりを依頼するときの確認項目

確認項目 具体的に聞くこと
要件定義 見積もりに何回の打ち合わせと何の成果物が含まれるか
対象画面 利用者画面と管理画面が何画面あるか
スマートフォン レスポンシブ対応か、別デザインを作るか
例外処理 キャンセル、返金、退会、停止、通報が含まれるか
決済 カード決済だけか、売上分配・振込まで含むか
テスト 誰が何件のテストを行い、どこまで保証するか
追加費用 仕様変更1人日・1人月の単価はいくらか
ソースコード 納品されるか、別会社へ引き継げるか
サーバー 誰の名義で契約し、月額はいくらか
保守 月額に含まれる作業時間と対応内容
公開後 初年度の追加改修を含めた総額はいくらか
3年間の総額 初期費用、保守、インフラ、外部サービスを合計するといくらか

マッチングサイトのスクラッチ開発に関するよくある質問

スクラッチ開発はいくらから依頼できますか?

掲載、検索、問い合わせに絞ったWeb版でも、国内の受託開発会社へ依頼するなら1,200万~1,800万円が現実的です。

500万円で作る場合は、機能を削ったMVPまたは試作品になります。

1,000万円でマッチングサイトは作れますか?

BtoBの掲載・検索・問い合わせ型であれば、デザインと機能を絞って検討できます。

サイト内決済、売上分配、アプリまで含めることはできません。

ココナラのようなサイトはいくらですか?

Web版で、出品、購入、トークルーム、納品、評価、売上管理、振込申請まで実装する場合、2,800万~4,500万円です。

クラウドワークスのようなサイトはいくらですか?

案件掲載、応募、交渉、契約、仮払い、納品、検収、評価を持つWeb版で、4,500万~7,000万円です。

時間単価、コンペ、タスク形式を追加すると、6,000万~1億円になります。

メルカリのようなアプリはいくらですか?

Web、iOS、Androidを含み、出品、購入、配送、受取評価、売上金、振込申請まで実装する初期版で、8,000万~1億4,000万円です。

開発期間はどのくらいですか?

問い合わせ型で7~10か月、ココナラ型で9~14か月、クラウドワークス型で12~18か月、アプリを含むCtoC型で14~24か月です。

スクラッチ開発後の保守費はいくらですか?

問い合わせ型で月20万~35万円、取引・決済型で月40万~120万円、Webとアプリを持つCtoC型で月120万~250万円が目安です。

インフラ費と外部サービス費は別です。

パッケージとスクラッチはどちらがよいですか?

標準機能の半分以上を利用できるなら、パッケージを先に比較してください。

会員構造、取引、料金計算、権限を基本設計から変更する場合は、スクラッチ開発が候補になります。

まとめ|「マッチングサイト」という言葉だけでは価格は決まらない

スクラッチ開発の費用は、サイトの見た目や機能数だけでは決まりません。

取引をどこまでシステム内で行うかによって、価格は次のように変わります。

  • 問い合わせで終了するBtoB型:1,200万~1,800万円
  • 購入・納品・売上管理を行うココナラ型:2,800万~4,500万円
  • 契約・仮払い・検収を行うクラウドワークス型:4,500万~7,000万円
  • 配送・受取評価・売上金を扱うメルカリ型:8,000万~1億4,000万円
  • 予約在庫とキャンセル料金を扱うAirbnb型:1億2,000万~2億2,000万円
  • 3者をリアルタイムで動かすUber Eats型:2億5,000万~5億円

最も重要なのは、有名サービスの名前ではなく、初回公開でどの取引まで実現するかを決めることです。

予算が3,000万円なら、3,000万円分の機能を詰め込むのではなく、2,000万円前後で初回版を公開し、残りを改善、保守、集客に残してください。

一般的な会員登録、掲載、検索、問い合わせで成立する場合は、スクラッチ開発を選ぶ必要はありません。

既存のパッケージを利用し、独自性になる部分だけへ予算を使った方が、公開後に資金を残せます。

\スクラッチ開発が本当に必要か判断できない方へ/

作りたいサービスの現実的な構築費を相談する

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