結論:BtoBマッチング開発の最適解は「パッケージ+カスタマイズ」になりやすい
いきなり結論から言うと、BtoBマッチングは「パッケージを土台にして、必要な部分だけカスタマイズする」進め方が一番失敗しにくいです。
理由はシンプルで、最初の立ち上げで“必要な機能”が想像以上に多く、ゼロから作ると費用と時間が膨れやすいからです。
・まずは「運用に耐える最小セット」を短期で作る
・次に「売上に直結する機能」から順に追加する
・最終的に“自社の資産”として、自社サーバーで運用できる形に寄せる
先に迷いを終わらせる:3つの判断軸
- いつまでに出したいか:リリース期限があるなら、ゼロ開発は基本的に危険です。
- どこで差別化したいか:差別化ポイントがUI/UXなのか、業務フローなのかで正解が変わります。
- 運用を誰が回すか:運用担当が非エンジニアなら、管理画面・保守・改善導線が命です。
スクラッチ・パッケージ・ノーコード徹底比較|BtoBはどれが正解?
BtoBマッチングは「権限・審査・請求・契約・ログ」が絡みやすく、開発手段の選び方で成功確率が大きく変わります。
ここでは費用・期間・詰みやすさの観点で、現実的に比較します。
| 開発手段 | 向いている条件 | 詰みやすいポイント | おすすめ度(BtoB) |
|---|---|---|---|
| フルスクラッチ | 要件が固い/予算と期間が十分/社内にPM体制がある | 要件ブレで長期化、検収・品質担保が重い | △(条件が揃えば◎) |
| パッケージ+カスタマイズ | 早く出したい/必要機能が多い/運用しながら育てたい | 設計思想とズレると拡張が苦しい | ◎(最短ルートになりやすい) |
| ノーコード | MVP検証/社内で試したい/短期の実験 | 会員・審査・権限・決済・通知が増えると限界が早い | ○(検証用として) |
①フルスクラッチ(ゼロから開発)
フルスクラッチは自由度が最大ですが、BtoBでは「後から必要になる機能」が多く、要件ブレ=コスト爆増になりやすいです。
<フルスクラッチでつくるメリット>
- 独自性を最大化できる:業務フローに100%合わせられる
- 設計次第で長期運用に強い:技術負債をコントロールしやすい
- 外部都合に左右されにくい:ロードマップを自社で決められる
<フルスクラッチでつくるデメリット>
- 費用と期間が読みにくい:要件追加で延びやすい
- 検収と品質担保が重い:テスト観点が増えて止まりやすい
- 運用設計が後回しになりがち:管理画面・ログ・権限が弱いと運用が破綻
費用目安:小さめでも500万円〜1,500万円、中規模以上だと2,000万円〜になりやすいです。
期間目安:4〜10ヶ月(要件が増えると1年コースも普通にあります)
②パッケージ+カスタマイズ(おすすめ)
BtoBで一番失敗しにくいのは、「運用に必要な土台」を最初から持っている進め方です。
まず短期で出して、売上に直結する機能から順に追加できます。
<パッケージ+カスタマイズでつくるメリット>
- 最短で運用できる形に到達しやすい:権限・管理・通知などが揃いやすい
- 改善サイクルを回しやすい:フェーズで追加開発しやすい
- 総額が読みやすい:必要な部分だけに投資できる
<パッケージ+カスタマイズでつくるデメリット>
- 設計思想とズレると拡張が苦しい:無理な拡張で逆に高くつく
- 最初に全部盛りしがち:優先度がないとコストが膨れる
- 出口戦略が必要な場合も:将来の移行/分離も見据えて設計する
費用目安:80万円〜400万円(MVP)+追加開発で300万円〜800万円が多いレンジ。
期間目安:MVPなら1〜3ヶ月、追加開発を含めて3〜6ヶ月が現実的です。
③ノーコード(検証用)
ノーコードは最速で試せるのが強みです。ただBtoBは「権限」「審査」「請求」「ログ」が入った瞬間に限界が来やすいので、用途を割り切るのが正解です。
<ノーコードでつくるメリット>
- スピード最優先で出せる:最短で検証を回せる
- 小さく試して学べる:需要があるかを早く確認できる
- 初期コストを抑えやすい:まずは最小で始められる
<ノーコードでつくるデメリット>
- BtoBの複雑要件に弱い:権限・承認・請求・監査ログで詰みやすい
- 乗り換えが重い:データ移行や仕様差で手戻りが出る
- 月額が積み上がる:長期運用で総額が逆転しやすい
費用目安:初期0〜30万円+月額1万円〜10万円(ツール/連携次第)。
期間目安:最短1週間〜1ヶ月で検証は可能です。
よくある勘違い:「安く作る」と「安く運用する」は別
初期費用が安くても、運用で詰むと結果的に高くつきます。BtoBは特に、権限・審査・請求・契約・ログが絡むので、後からの作り直しが起きやすいです。
【失敗ケースから学ぶ】開発手段ごとの落とし穴と回避策
1)WordPressで作る(“サイト”は得意、 “サービス”は苦手になりやすい)
| よくある失敗 | なぜ起きるか | 回避策 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| アップデートで改修費が積み上がる | プラグイン依存+互換性問題が出やすい | 機能を絞る/カスタム方針を最初に決める | 会員機能が薄い/情報掲載中心 |
| “手入力の一覧サイト”になった | 運用設計(登録・承認・権限)が不足 | 管理画面と運用フローを先に設計する | 小規模で完結、拡張予定が薄い |
2)超低予算(10〜30万円)(“それっぽい”は作れても、運用が回らない)
| よくある失敗 | 現場で起きること | 回避策 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| 希望していたマッチングにならない | 登録・検索・メッセージ・審査が未実装 | MVPとして割り切る | 検証目的で短期運用 |
| 見た目がチープで作り直したくなる | UI/UXの作り込みができない | テンプレ前提で“差別化しない”と決める | 最小の検証だけ |
3)SaaS(月額)(初速は出るが、成長すると依存が重くなる)
| よくある失敗 | なぜ起きるか | 回避策 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| 改修したいのに自由が利かない | 提供元の仕様・開発優先度に依存 | “出口戦略(移行)”を先に決める | 短期立ち上げ・検証 |
| 気づいたら月額が積み上がる | 利用量・機能追加で費用が増える | 3年総額で比較する | 運用を完全委託したい |
4)アジャイル/AI開発(“進む”けど“終わらない”が起きやすい)
| よくある失敗 | 現場で起きること | 回避策 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| 要件定義で予算が尽きる | 人月課金で膨れやすい | 最初に上限と“出すもの”を固定する | 意思決定が早い体制 |
| 結局、品質担保が弱い | 検証やテストが後回し | 受入基準とテスト項目を先に決める | 運用改善が中心の案件 |
BtoBで最初から必要になりやすい機能
| カテゴリ | 具体機能 | なぜ必要か(担当者向け) | 後回しにすると起きること |
|---|---|---|---|
| 会員・権限 | 法人/個人の切替、権限ロール、承認フロー | “誰が何をできるか”が曖昧だと運用が破綻します | 社内外の混乱、権限事故、対応工数が爆増 |
| 検索・導線 | 検索、絞り込み、保存、レコメンド | BtoBは「探せる」ことが成約率に直結します | 問い合わせが増えず、広告費が無駄になりやすい |
| 商談・連絡 | メッセージ、添付、既読、通知、テンプレ | 連絡が遅いと“案件が流れる”のがBtoBです | 返信率が落ち、継続率が下がる |
| 信頼性 | 本人確認、審査、通報、ブラックリスト | 荒れると一気に人が離れ、戻りません | 炎上・クレーム・退会連鎖 |
| 運用 | 管理画面、ログ、監査、CSV出力 | 担当者が日々回せないと、結局止まります | 属人化・対応遅延・データが活かせない |
| 請求・契約 | 請求書、契約管理、手数料、明細 | BtoBは“お金の処理”が複雑になりがちです | 請求ミス、トラブル、回収遅延 |
スクラッチ
向いているケース(結論:要件が固い企業向け)
- 要件が固い:やりたいことが明確で、途中で仕様が変わりにくい。
- 体制がある:発注側にPM・業務責任者がいて、判断が早い。
- 投資前提:初期にしっかり投資して、長期で回収する計画がある。
詰みやすいポイント(BtoBは“後出し”が多い)
| 詰むポイント | 起きがちな原因 | 避けるために最初に決めること |
|---|---|---|
| 要件が増え続ける | 現場ヒアリングで要望が無限に出る | 「MVPの範囲」と「次フェーズ」を分ける |
| 品質と検収が重い | テスト観点が膨大、バグが出ると長期化 | 受入基準、テスト項目、責任分界点を固定 |
| 見積が読めない | 要件が曖昧だと、精度の高い見積が不可能 | 決める順番(優先度)を明確にする |
パッケージ+カスタマイズ
向いているケース(結論:一番現実的になりやすい)
- 早く出したい:リリースが遅れるほど、事業検証が遅れます。
- 機能が多い:BtoBは最初から必要機能が多く、土台があると強いです。
- 運用で育てたい:改善→追加を回しやすいのが強みです。
落とし穴(“パッケージなら安心”ではない)
| 落とし穴 | 起きること | 回避策 |
|---|---|---|
| 設計思想が合わない | 無理な拡張でコストが逆に高くなる | “差別化ポイント”がそのパッケージで実現できるか確認 |
| 月額必須で総額が膨れる | 3年で見るとスクラッチ並みに | 初期+月額+保守+改修の「3年総額」で比較 |
| 運用が見えてない | 管理画面が弱く、担当者が疲弊 | 管理画面デモ/運用フローのすり合わせを必須に |
ノーコード
向いているケース(結論:検証用としては強い)
- まず検証:市場の反応を見るだけなら十分なケースもあります。
- 短期で出す:とにかくスピード優先の段階に向きます。
- 要件が軽い:審査・決済・権限が薄いなら成立しやすいです。
限界が来やすい部分(BtoBで増えがちな機能)
| 増えがちな要求 | ノーコードの弱点 | 現場で起きること |
|---|---|---|
| 権限・承認フロー | 柔軟な権限設計が難しい | 運用が回らず、手作業が増える |
| 請求・契約・手数料 | 業務ロジックが複雑化すると破綻 | 外部連携が増え、結局開発が必要に |
| 監査・ログ | ログ要件を満たせないことがある | トラブル時に追えず、対応が遅れる |
比較表
比較①:費用・期間・総額(目安)
| 項目 | スクラッチ | パッケージ+カスタマイズ | ノーコード |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 500万〜1,500万円 | 80万〜400万円(MVP)+追加で300万〜800万円 | 0〜30万円 |
| 期間 | 4〜10ヶ月 | 1〜3ヶ月(MVP)/全体で3〜6ヶ月 | 1週間〜1ヶ月 |
| 月額/保守 | 保守10万〜50万円(体制次第) | 保守5万〜30万円(範囲次第) | 月額1万〜10万円 |
| 拡張性 | 高い(設計次第) | 高い(思想が合えば) | 低〜中(限界が早い) |
| 3年総額 | 初期が重い | バランス良いことが多い | 小規模なら安いが、拡張で逆転しやすい |
比較②:結局、どれを選ぶ?(迷ったらここ)
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| まず市場を検証したい | ノーコード or 小さめパッケージ | 速度重視で「答え合わせ」を早くする |
| 半年以内に事業として出したい | パッケージ+カスタマイズ | BtoBは必要機能が多いので、土台があると強い |
| 要件が固く、独自性が強い | スクラッチ | 作り切る価値があるなら投資が成立しやすい |
最短で失敗しにくい進め方
ステップ1:MVPで「運用に耐える最小セット」を作る
- 会員・権限(最低限):法人/個人、ロール、承認フローの骨組みだけ先に作る
- 検索・絞り込み:BtoBは「探せるか」で成果が決まる。最初から核にする
- メッセージ(基本):商談が生まれないと意味がない。添付は後でもOK
- 管理画面(最低限):運用担当が回せないと止まる。最初から入れる
・最初から全部作らない。「運用が破綻しない最低限」だけ先に揃える
・MVPの範囲を決めて、次フェーズを最初から分ける
ステップ2:成約に効く導線を磨く(検索→比較→連絡)
- 探しやすさ:条件保存、人気順、レコメンドで「見つからない」を潰す
- 返信率:通知、テンプレ、既読で「返ってこない」を潰す
- 信頼:審査バッジ、実績表示で「不安」を潰す
・BtoBは「導線の詰まり」を取るだけでCVが上がりやすい
・改善は検索→比較→連絡の順でやるとブレにくい
ステップ3:審査・不正・通報・ログで「場」を守る
- 審査:法人確認、承認制で“変なユーザー”を最初から入れない
- 通報:違反報告、ブロックでトラブルを沈静化できる状態にする
- ログ:操作ログ・監査ログで揉めた時に判断できるようにする
・荒れると戻らない。BtoBは特に信頼が資産
・ログは「万一の保険」ではなく運用コスト削減装置
ステップ4:数字を見て改善する(登録率/返信率/成約率)
- 登録率:導線の短縮、入力項目の最適化
- 返信率:通知、テンプレ、返信期限の可視化
- 成約率:比較UI、信頼情報、問い合わせ導線
・BtoBは「機能が多い」より「運用が回る」が勝ちやすい
・運用担当者がストレスなく回せる管理画面が地味に一番効く
・まずは“詰まるポイント”を先に潰すのが正解
よくある質問
Q:結局どれが一番安い?
初期だけで見るとノーコードが安く見えます。ただ、BtoBは運用で必要機能が増えやすいので、途中で限界が来ると作り直しになります。
結果的に「パッケージ+カスタマイズ」で最短に出し、伸びたところだけ追加するのが総額を抑えやすいです。
Q:最初から全部の機能が必要?
結論、最初から全部はいりません。ですが「運用が破綻しない最低限」は必要です。
権限・検索・メッセージ・管理画面。この4つが弱いと、早い段階で止まります。
Q:ノーコードで検証して、後から作り直すのはアリ?
コスト面で現実的ではないですが、予算に余裕があればアリです。
ただし“最初から作り直す前提”で、検証で得たい答えを決めておかないと危険です。
「ユーザーが本当に登録するのか」「問い合わせが生まれるのか」など、検証目的を絞るのがポイントです。
まとめ:作って終わりじゃなく、運用で勝てる土台を先に作る
マッチングサイトは構築して終わりではなく、運用しながら改善していくことで初めて伸びます。
最初から全部を完璧に作ろうとすると、費用と時間が膨らんで止まりやすいです。だからこそ、最初は「運用に耐える最小セット」を短期で出し、勝ち筋が見えた部分から育てるのが現実的です。
「自社のケースだと、スクラッチ・パッケージ・ノーコードのどれが正解かだけでも先に知りたい」
そんな段階でも大丈夫です。要件が固まっていなくても、よくある失敗を避ける前提で整理できます。
マッチングサイトがカンタンに構築できるパッケージシステム「Mallento(マレント)」の詳細は、下記からチェックできます。


