この記事は 2023.11.28 に最新記事として更新されています。
是非、担当ディレクターさんに読んでいただきたく執筆させていただきました。
ちょっと長いですが、参考になれば幸いです。
カスタマイズを入れる前にミニマムでできることはないか
カスタマイズを入れる前にできることがあるかどうかを調べる必要が必ずあります。
予算がかなりあり、潤沢に使える状態にあるということであればその限りではありません。
話は変わりますが、
USJの再建成功させた森岡毅さんの戦略では、
当時目玉アトラクションがもう出尽くしている状態から、予算もそんなにない中、アメリカで自身が体験して感動したハリーポッターという次の人気アトラクションを絶対に日本に持ってこればヒットするとして、ハリポタワールドの費用を捻出しなければなりませんでした。
しかしすでに、もう頭打ちになっている状態のパークの経営状況から判断して、どのように再建に立ち向かったのでしょうか。
本当にあったUSJのミラクル
一つの策に、当時目玉アトラクションの一つである『ハリウッドドリーム・ザ・ライド』がありました。
このライドを逆向きに走らせたらどうなるんだ?という発想だったそうですが、これが内部でも大揉めしたそうです。
結局、技術的も安全性もともに問題なく申請もあっさり通ってしまった結果、あまり予算をかけずに大成功したという事例があります。
発想が実に素晴らしかったとしか言えません。
docomoの『スペース・ファンタジー・ザ・ライド』も同じくそのようにいえるでしょう。
VRの内容はおそらく予算が掛かっていると思いますが、その時折の人気なアニメなどとタイアップするので、結果予算は回収が早いと考えます。
非常にうまくできた収益モデルシステムであり、USJにしかできない商法と思います。
このように、運用に関してカスタマイズをずっとかけ続けてどうだったかという効果測定を図るのもわかりますが、ある程度頭を捻って考えることも重要です。
結局ユーザーのほしかったもの(ニーズ)とは…
そもそもサービスを利用している年齢層やターゲットが合っているのか?
合っているのであればどうして伸びていないのか?もっと伸ばす方法はないのか?
Webサービスでは販売の原理を捻じ曲げて解釈する必要がかならずあります。
通常の商売の場合、安く仕入れて高く売るですが、Webサービスの場合、特に手数料商売の場合は、そのサービスを使いたい、使わざるを得ない、使わない理由がない状態にしておくことに付加価値が見出されます。
そのWebサービスのどこにコアコンピタンスがあるのか?
それらのほとんどは、プラットフォームとしてそこにほしい商品があるのかどうかです。
プラットフォームのデザインでも便利すぎる機能でもなく、そこにほしい商品があるかどうかです。
これに尽きます。
本当に純粋に大切なのでもう一度書いておこうと思います。
そこにほしい商品があるかどうかです。
これらをはき違えて死んでいくサービスはかなり多く、自己満足な勝手なサービスになっているケースが多いです。
言われたらそのままやっちゃう業者は切る
言われたらやるしかない、こう言っちゃてるけど本当はこうなのに
まあ儲かるからいいかといろいろと機能もりもりで進行して結局システム会社のみが儲かってしまったみたいな、そういうお話は数多くあります。
また、Saasなどのランニングコストがとても高い会社、依頼主のコスト感覚を無視して進行しようとする制作会社も一旦見積もりから省きます。
まずは、一度サービスをミニマムで初めてそこからユーザーの意見を聞いて本当に必要だったものを入れていくという流れを汲むことができればベストです。
そのために利用者ユーザーのアンケートであったり、実際に電話で聞き込みをしたり、自社に招いてユーザーの声を聞いたりという活動をされている大企業も多いです。
本当にユーザーが必要だったものはなんだったのか?
そのサービスを通じて得たかったもの、得れそうだったものがあればサービスを使う必要がありますが、
そうでなければそのサービスを使わなくてもほしいものが得れたのであればサービスを使わなくても個人取引でも良かったわけです。
立ち上げるサービスのUXを決める
サービスの本質を根本的に考えなければなりません。
たしかに、必要最低限のサービスにする必要はあります。
そのサービスが他サービスとどう違うのかも明確である必要があります。
段階的には下記のようになろうかと思います。
1. ミニマムでの構想
→ サービスの概要
2. 最低限の機能+コアになる独自機能をいれる
3. UX(ユーザーエクスペリエンス)を早期に確立させる
→ 初回ポイント付与や、クーポンなどでとりあえずサービスを使ってもらう
4. 詳細を詰める
5. 他意見も入れてブラッシュアップする
特にサービスのUXを確立させる2、3に関しては重要と思います。
この軸が変化して後々ぶれてもいいですが、具体的にどういうサービスになっていくかが問題です。
例えば、Amazon(アマゾン)を個人的な独断の基準でUX例にします。
・返品ができる
→ 他のお店だと返品は効かないケースが多いのですが、Amazonでは返品が比較的通りやすい
・当日注文で、即日、おそくても翌日には届くことが多い
→ 明日までまてるし、アマゾンの方が安いということで結局アマゾンで買ってしまうことが多いです
なので、サービスの特徴をそれぞれユーザーが把握しだすと
その用途やタイミングに応じてサービスを使ってくれます。
中古でいいものはメルカリ、
高額で微妙な商品は一旦保険をかけてアマゾンで注文、
服とかサイズ感がわからないものは店頭ストア、
通販限定で店頭にも置いていない服も一旦保険をかけてアマゾンで注文… etc
ユーザーは、いま溢れかえっているwebサービスで簡単に飽きたり
使えなくなったら切られてしまう傾向にあるのも事実です。
そのシステムのランニングコストは抜群かどうか?
しかし、本来のサービスというのは、一年二年でだめと決め付けるのではなく
ユーザーに対して小手先ではなく長い時間をかけて
サービスを運営して一度ダメであっても、もう一度使ってもらえるサービスになる必要があります。
そのためにマレントではエックスサーバーやほか格安のレンタルサーバーでも始めれるように、
そして月額をほぼコストがかからないようにというコストパフォーマンス設計を重視しています。
他社では絶対にできないライセンス永年無料を実施しています。
業者を選ぶ選定基準
何事も継続なのですが、
筋トレでも一年で効果が出る人もいれば、二年、三年目から効果が出る人もいます。
Webサービスではやれば伸びるという簡単なものでもないのですが、サービス継続することが必要です。
そのためランニングコスト重視でコストがかかってくる、カスタマイズをしたいのにSaas型なので自社でもカスタマイズができないなどの場合も想定してパッケージ+カスタマイズかフルスクラッチを選ばれる企業が多いです。
売れないサービスだからといって、サービスを一年くらいでやめてしまうくらいなのであれば最初からやらない方が良いです。
業者選定の参考になれば幸いです。